研究課題/領域番号 |
07407048
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
清水 弘一 群馬大学, 医学部, 教授 (10009946)
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研究分担者 |
横塚 健一 群馬大学, 医学部, 教務員 (90272252)
岸 章治 群馬大学, 医学部, 講師 (30125843)
村岡 兼光 群馬大学, 医学部, 助教授 (10092008)
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キーワード | 光学的網膜断面撮影 / 走査レーザー検眼鏡 / 黄斑円孔 / 特発性黄斑前膜 / 網膜厚 / 緑内障 / 視神経乳頭陥凹 |
研究概要 |
走査レーザー検眼鏡と光学的網膜断面撮影装置を用いて、さまざまな眼底疾患で、病巣が網膜のどの層にあるか、網膜および視神経乳頭がどのように隆起または陥凹するかを評価した。 1)黄斑円孔では初期の段階の中心窩の生理的陥凹が消失し、むしろ中心窩は隆起してくる。これは従来、網膜剥離によるものと解釈されていたが、長波長のヘリウムネオン光で観察すると、ヘンレ線維層が隆起して放射状のひだをつくることがわかった。中心窩ではこのため網膜の層状分離がおこり、嚢胞へと発展した。嚢胞の前壁が蓋としてはずれることで黄斑円孔が完成すると考えられた。円孔の底をアルゴン光で観察すると、顆粒状の組織が残存しており、嚢胞の外層に相当する視細胞層の一部と解釈された。硝子体手術が円孔が閉鎖すると、中心窩の生理的な陥凹は復活し、ヘンレ線維の放射状のひだも消失した。 2)特発性黄斑前膜をアルゴン光で観察すると、網膜前面の膜が強調された。ヘリウムネオン光で観察すると、前膜の下の網膜のしわが明瞭に観察できた。断面撮影装置を用いると、網膜の肥厚とひだ形勢が観察された。以上により、網膜前膜の形態と、その収縮の結果である網膜の変化を、分離して評価ができるようになった。 3)緑内障では神経線維層の欠損が分節的に生じる。検眼鏡では見落としやすいこの神経線維層の菲薄化は、アルゴン光で眼底を走査することで鋭敏に観察できた。光学的網膜断面観察装置により、神経線維層欠損に対応する視神経乳頭の陥凹を定量的に評価した。緑内障の進行とともに拡大する陥凹部分の体積を計算した。
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