研究課題/領域番号 |
07407049
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
所 敬 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013865)
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研究分担者 |
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10114745)
下川 仁弥太 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (80014257)
大野 京子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30262174)
森田 博之 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (80230126)
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キーワード | 実験近視 / 強膜 / TGFβ / レチノイン酸 / 網膜 |
研究概要 |
本研究課題は平成7年10月下旬に追加採択されたため、申請書に述べた計画を全て遂行することは不可能であった。しかし、部分的には順調に進行しており、以下に経過を報告する。 1、TGF-βおよびレチノイン酸の作用機序について; これまでの研究によって、TGF-βおよびレチノイン酸(RA)による強膜軟骨細胞および線維芽細胞の細胞増殖能に及ぼす影響については以下の結果が得られた。すなわち、軟骨細胞と線維芽細胞ともに、RAによって、用量依存性に細胞増殖能は低下した。また、RAとTGFβとを同時に添加した結果、線維芽細胞の場合にはRAはTGFβのみを添加した場合と比較して増殖抑制の方向に働いたが、軟骨細胞の場合には逆にTGFβのみを単価した場合と比較して増殖促進の方向に働いていた。この結果から、細胞増殖に関しては、これまでに実験近視眼強膜に認められると報告されている、軟骨層の肥厚と線維層の菲薄化という変化が説明されると考えられた。さらに、この度の研究では、最近、実験近視眼強膜において変化が認められると報告されたゲラチナーゼ活性について、TGFβおよびRAの関与を培養強膜軟骨細胞と線維芽細胞を用いて検討する予定だが、これについては、まだ結果は得られていない。 2、実験近視眼とコントロール眼との間のサブトラクションクローニングについて; まず、どの組織についてサブトラクションを行うかについて検討した。実験近視眼の中では、強膜に著明な変化が認められることから、強膜についてサブトラクションを行うことも考えた。しかし、強膜に著明な変化をもたらす因子として考えられている成長因子の発現調節を考える上でも、また視性刺激遮断による実験近視モデルにおいては、網膜、特に神経網膜における変化が1次的な変化であって極めて重要であると考えられることから、この度の研究では、網膜の変化を中心に検討することに決定した。さらに、今回は正常な視性刺激によって誘導される遺伝子の方に注目して解析し、眼軸延長の抑制に働く因子を見つけることを目標にしている。また、手法については、当初、subtracted cDNAを作成してから解析するサブトラクションクローニングを行う予定であったが、最近急速に普及してきているdifferential displayによって解析を行うことに変更した。 平成7年11月から平成8年1月までの間に、differential displayはほぼ完了し、正常な視性刺激によって誘導される47本のバンドを検出した。現在、そけらのバンドについて解析中である。
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