研究課題/領域番号 |
07407052
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 嘉男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10010026)
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研究分担者 |
佐原 資謹 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (40206008)
戸田 一雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80134708)
片倉 伸郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20185804)
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キーワード | in vitro / 咀嚼 / リズム運動 / 中枢性パタン形成 / 脳幹-脊髄標本 / 吸啜 / 下顎-下歯槽神経標本 / 歯根膜機械受容器 |
研究概要 |
1)ラット新生仔のin vitro脳幹-脊髄標本においてNMDAによって誘発される吸啜様運動の中枢性リズム形成に関与するニューロンの局在部位を検索する目的で、活動電位の発生にともなってニューロンに取り込まれる蛍光物質sulphorhodamine S-101を、NMDAで誘発した舌下神経のリズム活動が出現中に灌流液中に投与した。NMDAを投与せず、舌下神経にリズム活動が認められない場合にも橋・延髄の諸核に標識されたニューロンが見いだされたが、これと比較して、リズム活動誘発群では、これらの諸核で標識されたニューロンの数が増加していたのに加えて、顔面神経核レベルの巨大細胞網様核にS-101で標識されたニューロンが特異的に見いだされた。in vitro脳幹-脊髄標本における吸啜リズム発生器の局在に関する脳幹切断による解析結果と合わせると、ラットでは中枢神経系の生後発達にともなって、吸啜リズム発生器の局在ならびに構成が変化する可能性が想定される。 2)ラットin vitro下顎-下歯槽神経標本で、切歯と臼歯の歯根膜機械受容器の応答特性を比較し、両者で以下の相違を見いだした。(1)臼歯ではすべてが速順応タイプであるのに対して、切歯では遅順応タイプが存在した。(2)臼歯ではon-offタイプが過半数であるのに対して、切歯では希であった、(3)機械刺激に対する応答閾値は、切歯ではほぼ一定であったが、臼歯では切歯に比して低い閾値を示すものを含めていろいろであった。 3)ラット三叉神経節ニューロンに存在するグルタミン酸受容体(GluR)の大多数を占めるkainate型受容体の生後発達を、生後2-28日のラットの三叉神経節ニューロンを単離して、電気生理学的ならびに分子生物学的手法を併用して解析した。その結果、kainate電流応答の変化とGluRのサブタイプの発現量および多様性の増大が、生後1週間までに並行して認められた。この時期は、神経突起の伸張などニューロンの発達が盛んな時期であるので、kainate型受容体がニューロンの成長になんらかの役割を果たす可能性が想定される。
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