研究課題/領域番号 |
07407057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
藤林 孝司 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80013978)
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研究分担者 |
東 みゆき 順天堂大学, 医学部, 助手 (90255654)
塩田 芳美 獨協医科大学, 医学部, 助手 (40285862)
佐々木 忠昭 獨協医科大学, 医学部, 助手 (40225876)
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キーワード | 難治性口腔粘膜疾患 / シェ-グレン症候群 / 診断基準 / 生検病理組織 / 口腔検査 / 眼科検査 / 診断の感度 / 診断の特異度 |
研究概要 |
本年も昨年に引き続いて難治性口腔粘膜疾患の臨床病態を主体に研究を行った。特にシェ-グレン症候群についてはその診断基準の改訂試案をシェ-グレン研究会診断基準改訂小委員会のメンバーとなってまとめた。改訂試案第1案は4項目の検査からなっており、第1項目は病理組織、第2、第3、第4項目はそれぞれ口腔検査、眼科検査、血清検査である。このうちシェ-グレン症候群(SS)確実例とする診断基準は第1項目陽性(第1条件)か、第2、第3、第4項目中の2項目以上が陽性(第2条件)かの少なくともどちらかに該当するものである。そこでこの第1条件(病理組織)と第2条件(口腔、眼、血清の2/3以上)で診断の感度と特異度に差があるのかどうか検定した。その結果は第1条件での感度は87.6%、特異度は97.2%であり、第2条件での感度は82.3%、特異度は92.2%であった。次いで年齢の問題で加齢ゆえの老人性乾燥症を除外する必要性について検討した。改訂試案第1案の419例での感度は91.9%、特異度91.8%であるが、60歳以上の116例では感度91.0%、特異度93.9%、70歳以上の24例でもそれぞれ100%、91.7%であり、高齢者での精度の低下は認められず、単なる老人性乾燥症を除外するための追加条件の設定は特に必要とは考えられない。また第1条件のみで陽性とすると、SLEやHCVなどで非SSなのに病理組織陽性で基準に合格する心配がないか検討した。その結果は非SS対照群なのに生検病理組織で陽性のために第1条件でSSと診断されるのは4例であった。第1条件の特異度は97.2%と高く、非SS例で病理組織陽性となるのは極めてまれと考えられた。
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