研究課題/領域番号 |
07407066
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 恒敏 東北大学, 医学部, 教授 (90004746)
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研究分担者 |
八木 秀樹 東北大学, 医学部, 助手 (40250740)
中村 雅典 東北大学, 医学部, 助手 (50180394)
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キーワード | 胸腺 / 胸腺リンパ球 / 分化 / 選択 / クローン排除 / 微小環境 / アポトーシス / 細胞死 |
研究概要 |
本年度は(1)胸腺リンパ球の細胞死の問題、(2)胸腺リンパ球の胸腺から末梢リンパ組織への移出の問題、および(3)分画されたリンパ球の形態学的解析、の3点に集中して解析を進めた。 このうち、胸腺リンパ球の細胞死の問題については正常胸腺のアポトーシスの形態学的検索により、胸腺リンパ球は生理的にはアポトーシス(DNA断片化を伴う細胞死)を起こしていないこと、また多くの胸腺リンパ球の細胞死は古くから言われているようにピクノ-シスであることが判明した。また、これに関連して付随的にリンパ節胚中心におけるBリンパ球の細胞死も、これまではアポトーシスだと言われていたが胸腺リンパ球同様、DNA断片化を示さないパターンであることがわかった(論文の項参照)。 末梢にTリンパ球が極端に少ない免疫異常マウス(CTS)について詳しく検索した結果、この系統のマウスは、胸腺リンパ球が末梢に移出できない欠陥を持つことを確かめ、この異常マウスの実態を解析し、報告した(論文)。CTSマウスの胸腺は移出できない割には肥大していないこと、髄質に成熟胸腺リンパ球が蓄積していて、正常胸腺リンパ球よりも免疫反応性に優れていること、末梢リンパ節にホ-ミングする際のレセプターを発現していること、それらは皮髄境界部の血管周囲に凝集していること等が判った。目下、この胸腺リンパ球の欠陥の本態は何か、検討中である。 複数の表面抗原の有無・多寡および細胞の大きさなどを指標として自動細胞分取装置で分画した胸腺リンパ球を形態学的に検索を行うという実験も進展した。CD4が中間的に陽性のものは必ずしもCD4/CD8 double positiveからsingle positiveに移行する中間段階ではない等のいくつかの新しい事実が判明しており、現在、2-3の論文にまとめるため、執筆準備中である。
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