研究概要 |
われわれは本研究においてLFA-1/ICAM-1,VLA-4/VCAM-1,CD2/CD45,CD28/B7,CD40L/CD40,Fas/FasL等の主たる補助シグナル経路が免疫反応のいかる経時的位相や、抗原の種類、APCの種類によって異なるか、又その細胞内シグナルの経路ごとの相関関係を明らかにする研究を進めてきた。また、免疫反応のエフェクター相に関与する接着分子をはじめとし、各種の分子群の研究を通じ、細胞障害性のT細胞(キラー細胞)が免疫調節にいかに関与してるかを明らかにしてきた。特に最近パ-フォリン非依存性のキラーT細胞がFasリガンドを介して自己反応性の過剰に増殖分化をはじめたT,B細胞を制御している事実が見いだされつつある。そこで本研究で明らかにしたFasリガンド陽性のキラーT細胞が自己免疫疾患患者を含め免疫反応の抑制機序の破綻といかなる因果関係にあるかについても研究を展開させることが出来た。さらにわれわれが、世界に先駆けて樹立したヒト、マウスに対する抗FasL抗体を用いて自己免疫疾患、臓器移植、抗腫瘍免疫応答におけるFas/FasLの関与を明らかにすることが出来た。免疫反応の初期相の惹起と後期のエフェクター相の相方に共通、又は一方に特異的に関与する接着分子群とパ-フォリン、グランザイム等のエフェクター分子群の疾患における役割解析に加え、特にマウスを用いたジーンターゲッティングの手法を組み合わせFas/FasLを介したリンパ球相互作用がいかに免疫制御とその破綻に関与しているかを明確にすることが出来た。
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