研究課題/領域番号 |
07407074
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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研究分担者 |
大津 欣也 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
西田 昌司 大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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キーワード | カルシウムシグナリング / 興奮収縮連関 / ホスランバン / 筋小胞体カルシウム遊離チャネル / 心筋症 / 遺伝子診断 |
研究概要 |
1.遺伝子発現調節機構の解明 前年度同定した心筋小胞体Ca遊離チャネル(RYR2)遺伝子発現に重要な役割を果たしていると考えられる領域に対応するオリゴヌクレオチドを作成しこれをプローブとしてイ-ストを用いたone-hybrid systemによりこの領域に結合する蛋白質の同定を試みた。その結果8つの独立したクローンの単離に成功した。現在これらのクローンを発現ベクターにクローニングし心筋細胞におけるRYR2遺伝子発現に対する効果を検討している。また前年度に同定した骨格筋においてRYR2遺伝子を発現させない負の調節領域の存在が示唆する結果を得ていたので本年度はこの領域に対応するオリゴヌクレオチドを用いてDNA affinity columnを作成し、骨格筋より抽出した核蛋白質よりこの領域に結合する蛋白質の単離を試みた。その結果分子量約30kDaの蛋白質を単離し現在そのアミノ酸配列を決定中である。 またホスホランバン遺伝子おいてはその5′上流領域を単離し塩基配列を決定した。心筋細胞においてルシフェラーゼをレポーターとして用いた検討により-96から-78の領域がその転写活性に重要な働きをしていることが明らかになった。CCAAT配列が-93に、TATA boxが-10に存在する。CCAAT配列を欠損させると転写活性は著明に低下する。またこの領域に核蛋白質が結合する。またTATA box様配列は転写活性に影響を与えないことからホスホランバン遺伝子はいわゆるTATA-lessプロモーターを持つことが明らかとなった。 2.心筋症発症におけるカルシウムシグナリング蛋白質遺伝子変異の関与 心筋患者血液から得たDNAをホスホランバンの塩基配列のプライマーを用いてPCRによりDNA断片を得た。これをベクターにサブクローニングしDNAシークエンサーを用い、塩基配列を決定した。肥大型、拡張型心筋症患者70例について検討したがアミノ酸変異は認められなかった。従ってホスホランバンは心筋症の原因遺伝子としては関与は非常に低いと考えられた。
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