研究課題/領域番号 |
07408011
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西原 英晃 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50025920)
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研究分担者 |
米田 憲司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (10027443)
藤根 成勲 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90027441)
日引 俊 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30228746)
三島 嘉一郎 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60027472)
神田 啓治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (10027419)
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キーワード | 中性子ラジオグラフィ / 高速度撮像 / 撮像限界 / 画像処理 / 画像定量化 / 計測誤差 |
研究概要 |
本研究の目的は、定常熱中性子ビームをプローブとする高速流体現象の計測技法(中性子ラジオグラフィ高速度撮像法)を開発し、熱流動現象の詳細構造の可視化・計測を行おうとするものである。この問題点としては、高速度撮影のため1画素当たりの中性子数が少なく、従って、中性子画像から変換されて得られる可視光の画像が微弱であるため、これを増幅する必要があること、こうして得られた画像は散乱中性子線や撮像系の特性の影響などを含むため、定量化するには適切な画像補正が必要であること、などである。本年度は、これらの問題点を調べるため、日本原子力研究所JRR-3Mに付設の熱中性子ラジオグラフィ設備に、高速度ビデオカメラによる撮像システムを構築した。このカメラには2段のマイクロチャンネルプレートをもつ画像増幅器を取り付け、感度を増強した。高速流体現象の可視化の目的の実験では、低沸点液中に落下させた高温の溶融金属の動態観測を対象とした。用いた溶融金属は、鉛-ビスマス及びウッドメタルであり、低沸点液体として軽水及び重水を用いた。この実験により、熱中性子束1.5×10^8n/cm^2/s、撮像速度毎秒500コマ、ゲート時間1msの条件で、気泡内の高温溶融金属の挙動を可視化し、この撮像システムによる高速度撮影限界、限界空間解像度などを検討した。さらに、種々の厚さをもつポリスチレン板を標準サンプルとして可視化し、その画像を処理して、シェ-ディング補正や散乱線の影響などを詳しく調べるとともに、中性子物理の立場からの解析も行うことにより、画像定量化の誤差評価、高速度撮影画面の定量化法の検討を行った。
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