研究課題/領域番号 |
07408024
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
|
研究分担者 |
和中 明生 福島県立医科大学, 生体情報伝達研究所, 教授 (90210989)
古山 達雄 大阪大学, 医学部, 助手 (20238702)
島田 昌一 大阪大学, 医学部, 助教授 (20216063)
|
キーワード | 浸透圧 / オスモライト / オスモライトトランスポーター / 神経細胞死 |
研究概要 |
浸透圧調節に関係するオスモライトのうちミオイノシトール-Na^+トランスポーター(SMIT)の動態を実験的に脳浮腫や虚血を引き起こさせたマウス脳で検討した。 これらの脳ではSMITmRNAの急増が観察され、ニューロンとグリア細胞の両者にその発現が見られた。発現パターンで特に強調したいことはSMITmRNAの発現増加が見られた部位は脳の損傷部位のみならず、きわめて広範囲に拡がっており、時間経過によっては反対側脳においてもSMITmRNAの増加が見られた。この事実は従来考えられていた以上に浮腫や虚血の影響が脳の広範囲に及んでいることを示すものである。また眼組織においてもSMITmRNAの動態について検討した。通常ではSMITmRNAは毛様体、虹彩、レンズの上皮と網膜では神経節細胞および内果粒層の細胞に発現していた。Na^+負荷では網膜におけるSMITmRNAの急増が認められた。以上の事実より脳には網膜に発現するSMITは神経細胞に加えられる様々な浸透圧負荷に対応し、その発現を高めることにより神経細胞を細胞死から免れるような方向に働いているものと思われる。
|