研究課題/領域番号 |
07408031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
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研究分担者 |
藤堂 剛 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (90163948)
斉藤 直 ラジオアイソトープ総合センター, 助教授 (50153812)
本行 忠志 大阪大学, 医学部, 助手 (90271569)
中島 裕夫 大阪大学, 医学部, 助手 (20237275)
杉山 治夫 大阪大学, 医学部, 教授 (70162906)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1998
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キーワード | 低線量・低線量率放射線 / 線量率効果係数 / 身体的リスク / 遺伝的リスク / 白血病 / 固型腫瘍 / 致死と奇形 / 突然変異 |
研究概要 |
1. 異なる線量率(0.57Gy/分〜0.0002Gy/分)で発生腫瘍の異なる2系統のマウスC3H/HeJ,C57BL/6Jに、6週齢より7日間隔で4回Co-60ガンマ線を照射(総線量2Gy,6.8Gy)し、腫瘍発生における線量-線量率効果係数(DDREF)を求めた。その結果、 (1) 低線量率照射により、全腫瘍および固型腫瘍発生の遅延(両系統2および6.8Gy)と白血病発生に顕著な線量率効果が認められた。DDREFは6.8Gy照射で20〜40、2Gy照射で約2であった。 (2) 固型腫瘍については、全固型腫瘍発生率でみるとC57BLマウスで線量率効果を認めるが、C3HマウスではDDREFは1に近かった。しかし、卵巣腫瘍が高発するため、卵巣腫瘍およびC57BL/6Jマウスに自然発生する細網肉腫を除外したが、傾向は変わらなかった。臓器別にみると、肺、乳腺、下垂体腫瘍に線量率効果が認められ、DDREFは2〜3(両系統)であった。 2. X線、^<60>Coγ線、^<252>Cf中性子線による胎児死、奇形、がん、突然変異の同一個体検出をPTHTF_1法を用い行った。X線では、いずれも明確な線量率効果を認めた。また、^<252>Cfによる突然変異とがん発生のRBEは、^<60>Coγ線とX線に対し、いずれも6〜9であった。 3. DNA二重鎖切断欠損培養細胞と野生型培養細胞を用いた、^<60>Coγ線による細胞致死効果の線量率効果は、大部分が二重鎖切断の修復によるものだが、一部それ以外のプロセスがある。 4. 微量放射能によるヒトでの遺伝子変異の調査:チェルノブイリ事故による放射能被曝者(放射性物質除去作業者、汚染地域住民など)の血液採取し、白血病早期発見のため、WT1遺伝子発現の定量と分子レベルでの遺伝子変異の高感度検出法の開発を行った。
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