研究分担者 |
蛯名 邦禎 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (50151999)
森井 俊行 神戸大学, 発達科学部, 教授 (20031370)
寺門 靖高 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30127378)
上地 真一 神戸大学, 発達科学部, 教授 (40031364)
中川 和道 神戸大学, 発達科学部, 教授 (00134403)
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研究概要 |
1.アミノ酸のキラルな重合にはそのアミノ酸が円二色性をもつ吸収を励起することが必要であるが,文献調査では,(1)アミノ酸の光吸収帯が真空紫外域でまだ十分測定されていないこと、および(2)真空紫外域での分光研究に欠かせないミノ酸の蒸着膜を作成するテクニックが十分に開発されていないことが明らかとなった。そこで(2)に関して3種のアミノ酸(アラニン,フェニルアラニン,アスパラギン酸)を対象に,カプトンの蒸着ボ-トで蒸着を試みたところ,成功をみた。この成果は以下2項、6項の成果とともに近く学会発表し,論文にまとめる予定。 2.上記(1)については,神戸大学内の真空紫外分光装置を用いて上記の3種のアミノ酸の光吸収帯を真空紫外域(130〜300nm)で調べることに成功、照射光の波長を決定する手がかりを得た。 3.高エネルギー物理学研究所において3種のアミノ酸の円偏光照射を行った。その結果、35eVの左円偏光を照射したフェニルアラニンのラセミ体においてL体の分解のわずかな促進を示したケースがあった。 4.真空紫外域で円二色性を測定しうるマシンをもつ電子技術総合研究所と共同研究の契約を締結した。これまでに5回の共同実験を行った。 5.円偏光アンジュレーターの準単色光をアミノ酸試料に照射したところ,130-180nm付近の波長で分解反応に起因すると思われる表面損傷が確認された。これをもとに146nmのエキシマーランプを購入した。 6.光学実験以外にも,酵素リパーゼの加水分解反応に対する糖の添加効果を調べた。その結果は、酵素活性がD-型の糖との相互作用によって高められる「酵素進化」の可能性をある程度示唆するものであった。酵素の純度および反応速度の決定には、購入したキャピラリー電気泳動装置を用いた。
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