研究分担者 |
井上 寛司 島根大学, 法文学部, 教授 (40027967)
松尾 壽 島根大学, 法文学部, 教授 (50032610)
竹広 文明 島根大学, 汽水域研究センター, 助手 (60252904)
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 講師 (00226086)
亀井 健史 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30177597)
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研究概要 |
1.中海の柱状採泥,2.音波探査と水質測定による塩分躍層動態観測,3.美保関町サルガ鼻灯台洞窟遺跡の発掘調査,4.大学・朝酌川遺跡調査,5.大田市旧波根湖調査を主な課題として調査を行い成果を得た.これらについて日本第四紀学会,日本海洋学会,テクノオーシィン96,IGBP-LOICZ,IGBP-PAGES委員会などにおいて発表した. 1.中海の60地点において地質調査所と協力して1mまでの柱状採泥を系統的に行い,軟X線写真撮影,上部1cm,下部2cmごとに切断しての含水比,粒度,CN測定210Pb,137Cs年代測定を行った.これらで中海の約500年間の環境変遷を明らかにした. 2.中海湖心観測所に基地として3ヶ月間の連続水質動態観測を新開発の音響探査装置,流向流速計,あらたに購入した水質計を用いて行った.その結果,塩分躍層が無風時には認められず,風が強くなるに従って形成されていくこと,12m以上の強風になると躍層より上位の水塊が湖底にまで達することが明らかになった.この事実は汽水湖の貧酸素水塊の環境への影響対策を行う上で重要な知見が得られたことを意味する. 3.昨年に引き続いた発掘調査をおこない,縄文時代後期(3000年前)と推定される生活面が確認され,海水面の変動についての知見が得られた. 4.島根大学および島根県の埋蔵文化財研究センターに協力して縄文時代以降の古環境復元の調査を行った.縄文の丸木舟と櫂の産出はきわめて貴重なもので,これを併せて当時の生業と社会の復元がなされた. 5.第二次世界大戦直後に干拓された海跡湖で,その後日本の干拓のさきがけとなった波根湖のボーリングコアの検討と地形および現在の土地利用,地盤沈下などについて総合的な検討を行い,研究報告として出版した.
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