研究概要 |
当研究課題を計画するにあたって、宇宙固体粒子に関する実験室実験を系統的に行う研究計画をスタートさせ、イタリヤでの国際会議で三編報告し、今年度に“The Astrophysical Journal"に一編、Planetary and Space Scienceに二編公表された。また、アルミナに関する新しい知見および量子ドット製法に関する論文がProceeding of the NIPR Synposium on Antarctic Meteorite No.9およびJournal of CrystalGrowthに掲載の運びとなつている,これらの内容を要約して実績の概要とする。 1)非晶質カーボンおよびグラフアイト結晶粒子の遠赤外線領域の吸収量が試料によって異なり、非晶質カーボン粒子を構成する短距離の秩序構造である微結晶構造で変化していることを明らかにした,また、グラフアイト結晶については完全性の程度でことなることを示した。 2)SiC粒子の新製法を提案し、アルフアやベータ構造の成因にシリコン過剰とカーボン過剰の雰囲気が関与することことを示し、赤外吸収位置が結晶構造と欠陥に依存することを示した。また、C_<60>結晶の成長も同時に見られることを示した。 3)非晶質カーボン超微粒子の粒子サイズや微結晶サイズをコントロールする新手法を示し、その試料の一部の赤外吸収を調べ、天文で観測されている未決定赤外吸収ピークが見られ、21ミクロンのピークはアニール効果で消えることを示した。 4)アミル微粒子や薄膜の空気中酸化で生成するアルミナは従来から考えられてきたガンマ型ではなくイーター型であることを赤外スペクトルに関する系統的な実験で明らかにした。また、アルフア構造への転移過程をあきらかにし、同じ構造の粒子の形のことなる物を作り、形によつてスペクトルが変化することを示した。
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