研究概要 |
研究室で粒子を作り、構造を調べるための電子顕微鏡を主体とした分析システムと紫外から赤外領域での吸収をしらべることをルーチンワーク的にできるシステムがほぼ確立でき、主題に沿った方向で研究が展開しつつある。微粒子になると構造のほかに、サイズ、形、欠陥の問題が顕著に現れてくる。同じ物質でこれらの問題を系統的に進めた実験がない。宇宙固体微粒子として重要な酸化物をつくるこころみの一つとして金属超微粒子を酸化物に変換する方法をみいだした。また、10nm以下の超微粒子を作る方法等を開発した。形の変化で吸収が変化することを明らかにすることができ、今後の展開の糸口ができた。これらの結果に一部はJJAP,J.Cryst,Growth,月惑星シンポジウム、南極隕石シンポジュウム、Grain formation work shop 17(kyoto)および18(hokaido)で報告した。これまでの報告には多形の問題を取り入れた議論はなく、構造と物性との相関が考慮されていないものがほとんどであり、全ての報告の見直しが重要である。特にISO(Infrared Space Observer)のデーターがっどんどん公表されることより、実研室での系統的なデーターの要求が高ってきている。新世紀の宇宙塵フォーラムでは実研室での惑星科学に視点を置いたときの粒子創製法について報告した。今年度新たな展開の指針を与えることのできるきつかけとなった物質は酸化マグネシウム、酸化シリコン(非晶質)のデーター解析であり、アルミナ、酸化ケイ素系への展開の糸口ができた。
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