宇宙の塵物質は難揮発性であるものが多く、たとえば実験室で同一物質の形を変化させてのスペクトルに関する系統的研究はほとんどない。非晶質物質に関しても、回折パターンがハロ-をしめし、構造的な視点からのスペクトルの議論を難しくしている。バルク物質の光学的特性は結晶構造や欠陥により、特徴ずけられるが、粒子の場合、形態、サイズ、凝集が問題となる。 MgOサイコロ状粒子が簡単に作成できることより、形の問題の例としてよく取り上げられてきた。理論的には球状あるいはサイコ状にたいして展開され、実験データーの説明にダンピングファクターを変化させて行い、最後に一致しないところは凝集の問題として議論されている。これには同一物質で形を変える実験が難しく、これまでデーターがほとんどないことによる。従って、基本的な問題が全然明らかにされていないことに気付いた。機器の進歩によりデーターは早く蓄積できることにより、理論的展開をモジュレイトしたデーター合わせの報告に終わっているものが多い。ダンピングファクターにしてもその物理的意味を議論されたものはほとんどない。今回作成したMgO粒子を空気中に約2年か放置することにより、サイコロ状が球状に変化することを見いだしたことが基本的問題に関する実験の展開の糸口を得た。高温度に加熱することにより、球状にすることもできるが、焼結過程を伴うことにより、楕円体や柱状へのの形態変化と凝集の問題が生ずる。粒子の形とスペクトルの変化の方向はBohren and Haffumannによるバルクのデタ-を基にして論的に予想された結果と一致する。最近注目を浴びているアルミナグレイン光学スペクトルに関する系統的研究はない。ア今回アルファアルミナの形態がことなることによりスペクトルが変化することが明らかになりつつある。
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