微粒子の創製・構造・物性と宇宙固体微粒子間の比較粒子学の構築

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07409007
• 研究機関: 立命館大学
• 研究代表者: 墻内 千尋 立命館大学, 理工学部, 教授 (80027812)
• 研究分担者: 津田 紀年 立命館大学, 理工学部, 助手 (40066684)
• キーワード: 超微粒子 / 星間塵 / 結晶 / 非品質 / QCC / シリコンカーバイト / 機能性量子ボール

研究概要

超微粒子の特異性が種々のところで見られることが明らかになると同時に、構造を読むことが比較粒子学の原点てんであることが明らかになった。多相構造の粒子がプリソーラーグレインとして、存在することが見いだされて、機能性粒子の創製として展開していることが強く関係することが明らかになった。今年度9編の論文を公表した。以下に主なもの内容を示す。
1、 非結晶質酸化シリコン膜の構造は微結晶構造で説明できることを示し、吸収スペクトルの変化を構造多形で説明できることを明らかにした。また、動径分布関数を求め、微結晶構造で説明できることを示した。非晶質物質の構造に関して最近の高分解能電子顕微鏡法の有効性が確認できた。
2、 星間塵の最有力物質として注目されている電気通信大学のQCC物質の構造を明らかにするよう研究体制を作り、高分解能電子顕微鏡により、吸収との相関を明らかにすることに一部成功した。今後成長との関係で比較粒子学が展開できる芽が出来た。
3、 ナノ粒子の反応性に着目し、この視点の発展として、ZnSやZnTe超微粒子から機能性量子ボールの創世を試みた。 粒子の表面とその内部で異なる化合物を作り、安定なクラスターの創製の手法をしめした。
4、 クラスタサイズの包埋方法を見出し、BCC金属クラスターではA-15型が安定であることを理論と実験の両面から明らかにした。
5、 薄膜と粒子の反応性に関してカーボン非晶質薄膜とシリコン超微粒子および酸化シリコン薄膜とカーボン粒子の反応を試み、酸化層の存在で拡散の方向が変化することと、SiCが室温でも生成できることをあきらかにした。

研究成果

• [文献書誌] C.Kaito, A.Nonaka et al.: "Size effect on solid-solid reaction growth between Cu film and Se posticles" Journal of Crystal Growth. 186. 286-392 (1998)
• [文献書誌] T.Morioka, S.Kimura et al.: "Study of the Structure of Silicafilm by infrared Spectroscopy and electron diffuetion analyses" Monthly Notices of the Royal Astronomical Society. 297. 78-82 (1998)
• [文献書誌] C.Kaito, S.Kimura et al.: "Structure and stability of Metallic pits Covered with Amorphous Silicon Oxide or Carbon" Physics of Low-Dimensional Structures. 9/10. 115-126 (1998)
• [文献書誌] S.Wada, A.T.Tokunaga C.Kaito, S.Kimura: "Fitting to Unusual LIV extinction arae of V348 Sgr" Astronomy and Astrophysics. 339. L61-L64 (1998)
• [文献書誌] N.Suzaki, S.Kimura, Y.Saito and C.Kaito: "A New attempt to Produce a Functional Quantum Ball from Ultrafine Particles" Physics of Low-dimensional structures. 3/4. 55-64 (1998)
• [文献書誌] C.Kaito et al.: "Growth of SiC by Reaction between Thin Films and Ultrafine Particles" Japanese Journal of Applied Physics. 38. 213-214 (1999)