研究課題/領域番号 |
07409008
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
原岡 一馬 久留米大学, 文学部, 教授 (40039178)
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研究分担者 |
中島 洋子 久留米大学, 医学部, 講師 (20279235)
野口 房子 久留米大学, 医学部, 助教授 (40268834)
安永 悟 久留米大学, 文学部, 助教授 (60182341)
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キーワード | 高齢者 / 知的低下 / 生き方、 / 生き甲斐 / 対人関係 / ソーシャル・サポート |
研究概要 |
本年度の研究においては、平成7年度および平成8年度の研究で得られた、高齢者の生き方と知的程度の関係を確かめると共に、知的程度の変化と生き方の関係に重点を置くことにし、どのような生き方をしてきた人が知的程度を維持したり、低下したりしているのかを、2年前のデータと今回のデータとを比較することを主目的として調査をおこなった。 また、高齢者のソーシャル・サポートの範囲と生活満足度の程度の関係を確かめるための面接調査を行った。さらに、知的低下の老人の事例研究として、訪問看護の効果を検討した。 結果は、最初の比較研究において、(1)年齢段階と日常生活態度および生き甲斐満足度の関係、(2)知的段階と日常生活・態度および生き甲斐満足度の関係、(3)生き甲斐満足度と知的低下傾向の関係の3つの領域について分析された。全体として、知的低下は年齢と共にみられた。さらに、知的段階と日常生活や態度はかなりの関係があり、とくに、生き甲斐満足度との関連は高かった。この傾向は、これまでの2ヵ年間の研究と同様な結果であった。年齢段階は日常生活には予期されたほどの強い関連はなかった。 事例研究では、「地域の人々と家族から支えられている事例」「役割喪失によって抑鬱状態を示した事例」「社会的ひきこもりのある事例」を中心に、地域や家族の人々の援助行動が知的低下予防に大きな影響をもつことを確かめた。 さらに、身近な支援者の存在によるソーシャル・サポートは老人の精神面に大きな影響を与えることが分かり、また、老人男性は介護面、情緒面において妻への依存が強いことが伺え、配偶者を亡くした独居男性は生き甲斐満足が低下しやすい傾向があることがわかった。
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