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1996 年度 実績報告書

情報処理系としての神経系進化の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07409009
研究種目

基盤研究(A)

研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

山森 哲雄  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80260206)

研究分担者 小峰 由里子  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90280586)
小池 智  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30195630)
渡我部 昭哉  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40290910)
キーワード長期記憶 / 小脳LTD / 遺伝子発現 / Jun-B / AMAP / 脳進化
研究概要

小脳プルキンエ細胞への主要入力である平行線維と登上線維を共刺激した時に生じる平行線維からプルキンエ細胞への伝達効率の長期にわたる低下(長期抑圧:LTD)は、小脳学習のモデルと考えられている。研究代表者等は、これを薬理学的に代替したAMPAと膜透過性の8-Br-cGMPの共投与によっても、c-FosとJun-Bの共発現が促進されることを発見し、LTD条件下においても、共刺激特異的に、c-FosとJunBの発現が誘導され、その結果c-Fos/JunBのAP-1複合体が形成され、引き続く新たな遺伝子群の転写を活性化し長期記憶へと導く可能性を示した。薬理学的条件をより生理学的な刺激条件に引き戻すべく、8-Br-cGMPを下オリーブ核刺激による登上線維刺激に置き換えて、AMPAを投与したものと共刺激すると、AMPAを投与した周りに局所的にJunBの顕著な発現を確認した(平成7年度に発表済み)。
平成8年度には、以下の成果をあげた。
1)AMPA刺激を平行線維刺激に置き換えて登上線維刺激と共役させた場合にも、共刺激領域特異的なJun-Bの発現を観察した。
2)こうしたc-Fos/JunB複合体により活性化されと考えられる遺伝子群を明かにすべく、単一培養細胞より、共刺激3時間後に誘導される遺伝子群を理化学研究所のフロンテイア細胞情報チームと共同研究により分離した。更に、それらの中、AMPAと登上線維の共刺激により誘導されるものをスクリーニングし、数個の候補遺伝子を得た。
3)脳神経系を構成する分子の進化機構を明らかにすべく、幾つかの哺乳類の系統に沿った遺伝子解析を更に進めた。
当初の研究計画では、初年度の最も重要な目標は、新設部門である本研究室の実験設備の確立と共同研究者の確保であった。第2年度である平成8年度は、前述したように、平成7年度の小脳長期記憶のプロジェクトを引き続き発展させ、具体的進展を見せた。脳進化の研究は,研究材料等、次年度への研究の礎を築くことができ、本研究計画全体としては、設備的にも、人的にも、当初の目的をある程度達成することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tetsuo Yamamori: "Leukemia inhibitory factor and phenotypic specialization" Chemical Factors in Neural Growth,Degeneration and Regeneration (Ed.,Bell.Christopher). Elsevier. 265-292 (1996)

  • [文献書誌] Tetsuo Yamamori: "Immediate early gene expression" Coincidence detection in the nervous system (Ed.,Konnerth,A.,Tsien,R.& Mikoshiba,K.),Human Frontier Science Program Workshop,April 28-30. 118-121 (1996)

  • [文献書誌] Ryoji Yano他: "Cerebellar long-term plasticity and gene expression" Procedings of the Uehara Memorial Foundation Symposium on Integrative and Molecular Approach to Brain Function (Ed.,Hayashi,K.),Tokyo,June 25-27,Elsevier. 35-44 (1996)

  • [文献書誌] 山森哲雄: "伝達物質の選択機構" 神経精神薬理200号記念特集. (印刷中).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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