研究分担者 |
牛尾 修 株式会社システムサコム, 開発本部, 部長研究員
吉田 等明 岩手大学, 情報処理センター, 助教授 (00220666)
恒川 佳隆 岩手大学, 工学部, 講師 (80163856)
新貝 鉚蔵 岩手大学, 工学部, 教授 (00089088)
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研究概要 |
本研究の目的は,パンやケーキなどのベ-クド製品,スナック菓子などの押出し成型食品などの多孔性食品を対象にして,食品素材の力学特性を工程管理の指標にし,製品の気孔構造と力学特性を品質管理の指標にして,ニューラルネットワークを応用した管理指標の良否を自動判別するシステムを構築することである。焼成前のパン・ケーキ生地では,動的粘弾性の周波数依存性試験における力学的損失正接,および応力緩和試験による緩和時間が有効な指標であった。焼成過程を模擬した動的粘弾性の温度依存性試験では65〜85℃での貯蔵弾性率と損失弾性率が有効な指標であった。パン・ケーキ生地に関しては,緩和時間が大きいものが「望ましい生地」であった。気孔構造を画像解析する前処理として,原画像を3×3マトリックスでの4近傍シャープニングノ強調フィルタ処理が適切であった。原画像の輝度分布から定式的に算出した5個のしきい値を用い,原画像を2値化した図形の論理和を求めて気孔図形を取得する多重2値化イメージング法を開発した。2次元離散フーリエ変換法により,パワースペクトルの周波数依存性から気孔の大きさ分布,角度依存性から気孔の配向性を迅速に定量化できた。スナック菓子について単軸圧縮試験で得られた力一時間曲線をウェーブレット変換して時間周波数解析することによりクリスプネスを定量化できた。食パンを試料ににして開発した画像解析法およびスナック菓子を試料にして開発した食品テクスチャーの時間周波数解析法は,エクストル-ダで調整した膨化食品についても有効であった。気孔構造が良好,普通,不良という3段階の山形型食パンについて,2D-DFT法により得られたパワースペクトルの周波数成分と方向成分を16個ずつの値に数値化し,これを特徴量として画像の識別に用いた。特徴量を3階層型ネットワークに入力して誤差逆伝搬法で学習させたところ,食パン内相の気孔構造の良否を判別することができた。
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