1、実験システムの完成 外部刺激よりの提示装置ならびに連続磁気刺激装置をコンピュータにて制御する方法を確立した。また、文字刺激・線画刺激などをコンピュータ上で作成し、それをプロジェクターで提示する方法も確立した。反応時間測定系も確立させた。 2、眼球運動への影響 前頭眼野への磁気刺激により、はっきりとした眼球運動への影響が引き出させるかどうか明らかでなかった。我々は、連続磁気刺激を用いて同部位を刺激したが、眼球運動を誘発できなかった。前頭眼野は眼球運動の調節系ではあろうが直接の運動指令を出す部位でないと考えられた。 3、錯視への影響 錯視の脳内メカニズムは明らかにされていないが、運動残効などの錯視は脳細胞の疲弊に由来すると説明されてもいる。連続磁気刺激はその刺激強度によっては、脳細胞の活動性を高め、刺激に対する準備レベルを上げるとも報告されている。我々は錯視への連続磁気刺激の影響を検討したが、後頭葉への刺激では変化をみていない。他の部位について検討中である。 4、言語活動への影響 発話の開始が左前頭葉刺激では短い間の連続磁気刺激により延長する可能性を見いだしている。これについては更に検討中である。
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