研究課題/領域番号 |
07451002
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
大谷 啓治 上智大学, 文学部, 教授 (30053557)
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研究分担者 |
荻野 弘之 上智大学, 文学部, 助教授 (20177158)
渡部 菊郎 上智大学, 文学部, 助教授 (30191810)
K リーゼンフーバー 上智大学, 文学部, 教授 (60053633)
鈴木 宣明 上智大学, 文学部, 教授 (30053531)
J フィルハウス 上智大学, 神学部, 教授 (70053501)
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キーワード | 教父思想 / カロリング・ルネッサンス / 三学 / 四科 / 旧論理学 / トピカ論 / スコラ哲学 / 普遍戦争 |
研究概要 |
本年度の個人研究また研究者の小グループ別研究の主な成果は以下の通りである。4〜5世紀における自由学芸の世俗的系統(マルティアヌス・カペラ)と、教父思想におけるその神学的伝統(特にアウグスティヌス)は6世紀、カッシオドス、セビリャのイシドルスにおいて、結合された形で聖書研究にとって不可欠な基盤として中世に伝承され、まずアイルランドとイギリスの6世紀から9世紀前半の修道制において特に実質的な目的で(文法学がラテン語修学のため、数学・天文学が教会暦設定のため)使われた。カロリング・ルネッサンスにおいて、大陸では、ボエティウスの四科また論理学関係の著作が知られることによって、四科に思弁的・哲学的背景が与えられ、伝統的・ビザンツ的な音楽理論に取って代わる響和理論、また後の12世紀において神学(三位一体論と創造論)のために活用されたが、アリストテレス受容につれて数学が自然学の抽象段階として新たに位置づけられ、そのピュタゴラス的・プラトン的な形而上学背景を失う。また三学のうち9世紀まで支配的な文法学が11世紀におけるボエティウス「旧論理学」の展開とともに論理化され、その上12世紀(ペルトス・アベラルドゥス)において修辞学にとって基盤となるトピカ論も演繹的論理学の一部分として理解されるに至った結果、三学のうち論理学が最も中心的な役割を果たし、12世紀の普遍戦争において形而上学的な思弁までもその基盤となるとともに、12世紀以降のスコラ哲学にとって基本的な思弁形態と方法論の基盤となった。
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