研究課題/領域番号 |
07451004
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
東 英寿 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (90218686)
|
研究分担者 |
連 清吉 鹿児島純心女子大学, 国際言語文化学部, 助教授 (20269145)
中筋 健吉 鹿児島大学, 教養部, 講師 (30244271)
高津 孝 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (70206770)
|
キーワード | 薩摩 / 漢籍 / 薩南学派 / 伊地知季安 / 漢学紀源 / 琉球版 / 延徳版大学 |
研究概要 |
8年度は、7年度に調査した薩摩藩の漢籍の書誌学カードに基づいて『薩摩藩刊漢籍解題目録』作成作業に着手した。6月までに7年度に調査した約二百枚のカードのデータを整理して、7月よりデータの打ち込みを開始した。その際、幾つかの問題点も見つかり、補充調査を経て現在まで継続進行中である。 また、研究の今一つの柱である薩南学派に関する研究については、各自がそれぞれ担当部分の研究を進め、その成果を発表している。まず、東が薩摩の漢学を考える上で重要な伊地知季安に着目し、第163回中国文芸座談会(平成8年7月6日 於九州大学文学部)で研究発表を行い、それを論文「伊地知季安と佐藤一齋-桂菴禅師碑銘作成過程に着目して」(『中国文学論集』第25号所収)にまとめた。伊地知季安に関しては、同じく東が「伊地知季安の『漢学紀源』について」(鹿児島大学文科報告第32号)を発表した。また、高津が薩摩と琉球の観点から「琉球版『論語集注』について」(『汲古』第30号)を発表した。 更に今年度は、海外の学者との研究交流を目指し、本科研参加メンバーが中心となって鹿児島大学でシンポジウム「東亜漢学国際会議」(平成8年12月27日、28日)を開催した。台湾から9名、韓国から3名、中国から2名の学者を招き、薩摩の漢学を含めた中国学に関する討論を行った。そこで、東は「伊地知季安与『延徳版大学』」、高津は「中国的歴史与故事的距離」と題していずれも中国語で研究発表した。また、その他の参加者の研究発表題目を幾つか挙げると、周彦文(台湾淡江大学教授)「論歴代書目中的制挙類書目」、張宝三(台湾大学教授)「狩野直喜之春秋研究略論」など本科研と関連する書誌学や日本漢学の発表が行われ、情報・意見交換をした。この成果は、今後の研究に活かしていく予定である。
|