研究課題/領域番号 |
07451009
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関根 清三 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90179341)
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研究分担者 |
湯浅 弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (10230608)
濱井 修 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00012360)
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キーワード | 良心 / 道徳意識 / コンスキエンティア / ジンテレ-シス / ストア派 / アウグスティヌス / トマス・アキナス / オリゲネス |
研究概要 |
本年度の研究課題は、 (1)旧約聖書・新約聖書を中心として、またルター、カルヴァンなどの宗教改革期の思想も含めてキリスト教思想における良心論を検討すること、 (2)ギリシャ悲劇、ストア派などを中心に古代ギリシャ・ローマ期の思想、哲学における良心論を検討すること 以上二点であったが、具体的な研究成果としては次のようなものが挙げられる。 (1)に関連しては、研究代表者の関根を中心として、良心にあたるギリシャ語(syneidesis,synteresis)、およびラテン語(conscientia)の使用例を新約聖書、アウグスティヌス、トマス・アキナス等にわたって精査した。その結果、オリゲネスが良心概念を刺の比喩と結び付けたり、クリュストモスが良心概念を法廷の比喩と結び付けたりしていたことが新たに知られた。 (2)においては、古代ギリシャにおいて良心にあたる現象を初めて明確に書き記した人は、デモクリトスであろうということが判明したが、その他、ローマ期のストア派(とりわけキケロ、セネカ)において、道徳意識としての良心(とりわけ、やましい良心の人を不安にさせる性格)に注意がはらわれ、良心概念がそこではきわめて重要な役割を持っていることが改めて認識された。
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