研究課題/領域番号 |
07451009
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関根 清三 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90179341)
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研究分担者 |
湯浅 弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (10230608)
佐藤 康邦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80012508)
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キーワード | カント / ヘーゲル / モラル・センス / ニーチェ / 精神分析学 / 胎児診断 / 人工妊娠中絶 |
研究概要 |
本年度の研究課題は、 (1)前年度までの良心論に関する個別研究の延長上で、近代哲学、及び現代哲学の良心論を検討すること。 (2)前年度までの良心論の思想史的研究を多角的・総合的に検討し、それを踏まえて現代の倫理学体系、及び倫理学的思索における良心概念の意義に関して考慮すること。 以上二点であったが、それぞれの具体的な研究成果としては次のものが挙げられる。 (1)(ア)近代哲学の良心論の検討では、研究分担者の佐藤がドイツ観念論の良心論におけるカントとヘーゲルの関係を統合的に捉える視点を提示し、また研究協力者の勢力がイギリス経験論におけるモラル・センス学派の認識論と道徳感情論の関係に関する研究を深めた。 (1)(イ)現代哲学の良心論の検討では、研究分担者の湯浅がニーチェの良心論を思想史的にフロイトの精神分析学的な良心論の先駆として位置付ける研究を行った。また、研究協力者の林が胎児診断技術や人工妊娠中絶という生命倫理の具体的な問題に即して良心の意義、機能について考察した。 (2)倫理学体系、倫理学的思索における良心概念の意義については、良心を主観性の原理とみなして良心論を軽視する視点に大して、むしろ逆に倫理学的思索が開始されるための論理的前提として良心現象を積極的に捉える必要があることを研究者の間で確認することができた。
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