研究課題/領域番号 |
07451010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉橋 陽一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50015278)
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研究分担者 |
一条 麻美子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 講師 (30213987)
田中 純 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10251331)
川中子 義勝 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60145274)
石光 泰夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60093366)
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キーワード | 神話 / 心理学 / 精神分析 / ドイツ思想 / フランクフルト学派 / 図像学 / ディスクール分析 / 終末論 |
研究概要 |
本年度は蒐集された文献およびデータベース化された図像資料をもとに、昨年度までの本研究における分析結果を多面的に検討した。最終年度であるため、各分担者は過去二カ年の下記の研究テーマを各自の専門領域でさらに深く掘り下げるとともに、他テーマとの関連性を考察した。 1.神話研究と心理学との相関関係の通時的な側面を、キルケゴール、ニーチェという二人の思想家にまでさかのぼって分析した。2.精神分析草創期におけるフロイトとユングの神話観の相違に着目することにより、精神分析の成立に神話・神話研究が果たした役割を考察した。3.ユング心理学におけるイメージ分析などを主題として、精神分析と図像学との関係を解明するとともに、美術史のヴアールブルク学派などを、精神分析との関係において位置づけた。4.フランクフルト学派および構造主義の神話研究とブルーメンベルク神話論の差異に特に着目しながら分析した。5.ブルーメンベルクのテクスト自体を詳細に検討し、ブルーメンベルクにおける精神分析の影響を具体的に跡づけた。6.精神分析における神話観の構造を、ラカンによるフロイトの発展的継承に注意しながら考察した。7.ドイツ哲学のみならず神学の分野において、神話が現在どのような位置を占める問題となっているかを、終末論などのトピックについて分析した。8.カフカ、トーマス・マンをはじめとする現代ドイツ文学における(神話的なもの)の位相を文学作品の分析を通じて析出した。9.キットラ-に代表されるディスクール分析によってメディア論や身体論へと拡大された展望とプルーメンベルクの神話研究との相関関係を方法論的に検討した。10.精神分析的神話図像学に依拠して現代ドイツ芸術の個々の作品を読み解くとともに、芸術における神話の再生というこの動向が現代ドイツ社会で持つ意味を考察した。
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