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1997 年度 研究成果報告書概要

舞踊における「引きこみ」現象

研究課題

研究課題/領域番号 07451012
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学(含芸術諸学)
研究機関学習院女子短期大学

研究代表者

尼ヶ崎 彬  GAKUSHUIN WOMEN'S COLLEGE,PROFESSOR -> 学習院女子短期大学, 人文学科, 教授 (70143344)

研究分担者 譲原 晶子  信州大学, 人文学部, 助教授 (80283224)
貫 成人  埼玉大学, 教養学部, 助教授 (80208272)
研究期間 (年度) 1995 – 1997
キーワード舞踊 / リズム / 引きこみ / 散逸構造 / 生命モデル / 自己組織化
研究概要

従来の舞踊美学の殆どは「主体-客体モデル」に基づき、観客が舞踊を見ることを、観客が踊り手の身体または運動に関しなにがしかの認知、判断をすることであるかのように語ってきた。しかし舞踊体験とはむしろ観客と踊り手との身体的同調に基づく身体的体験ではないだろうか。これがわれわれの研究の出発点である。
身体的同調についての古典的な実験はコンドンによって行われた。彼は対話者間に微細な身体の同調が見られることを発見し、このような身体同期現象を「引き込み」と名付けた。われわれはこれを踏まえて音楽的リズムにおける「引き込み」の実験を行い、いくつかの知見を得た。たとえば「引き込み」が行われるリズムにはメトロノ-ムのように機械的に時間を分節するものと、音楽家が強弱緩急を加えて表情をつけたものとがあり(詩における音に基づく韻律単位の知覚と意味に基づくフレーズ単位の知覚のように)、「引き込み」の力は後者の方が大きい。これは「引き込み」という現象には複数の層があるけれども、意味の有無(ないし意味レベルの高低)がその力の強弱に影響しているということを示唆している。
ここからわれわれは次のような仮説を提出した。人間にとって時間とは「認識される時間」と「生きられる時間」とがあり、後者はフレーズを単位として量子化されていること、さらにその時間フレーズは個人においてというより、自他を含む「場」の全体に生じていること(尼ヶ崎)。劇場という場に生じている現象は、舞台と観客とをひとつの生命システムとみなし、散逸構造によって新たなレベルの秩序が生成(自己組織化)するとみなす「生命モデル」で説明できること(貫)。

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公開日: 1999-03-15  

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