研究課題/領域番号 |
07451018
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
二木 宏明 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10073074)
|
研究分担者 |
八木 健 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (10241241)
|
キーワード | ジーンターゲッティング / Fyn欠失マウス / 放射迷路 / 十字迷路 / open field / 恐怖反応 / 空間学習 |
研究概要 |
八木がジーンターゲッティング法によりFyn欠失マウスを作製し、二木がヘテロ欠失マウスとホモ欠失マウスを交配して繁殖させ、実験に用いるマウスを確保し、Fyn欠失マウスの行動異常の性質を解析した。本年度は8方向放射迷路の空間学習のテスト、側壁のないopen armと側壁のあるclosed armを十字型に配置した高架橋十字迷路での恐怖反応テスト、一般活動性のテストとして、open fieldテストなどを行った。これらの実験の結果、以下のような知見を得た。 1)Fyn欠失マウスは、迷路に十分馴らしてやると、放射迷路が学習できた。しかし、順応期間中の各アームの選択傾向をみると、実験者のいる位置に近いアームを避ける傾向が対照群よりも顕著であった。これは、ヒトのいるそばのアームを恐がっているためと解釈できよう。 2)Fyn欠失マウスの恐怖反応の亢進は、高架式十字迷路テストでも明らかになった。すなわち、Fyn欠失マウスは対照群よりも、側壁のないopen armに滞在する時間が短く、また、open armに入る回数も少なかった。 3)open fieldのテストでは、恐怖反応の指標である脱糞についてみてみると、明るい照明下ではFyn欠失マウス対照群よりも有意に脱糞が多かったが、暗い照明下では両群間に差がなかった。 以上のごとく、Fyn欠失マウスでは恐怖反応が亢進していることが明らかになった。なお、本年度の成果は、Molecular Brain Researchに投稿し11月8日付で受理されている。
|