19世紀末に行われたStrettonの研究以来 視野変換への順応に視覚系の変化が伴うか.それとも視覚運動共応系が変化するだけなのかという問題について論争が続いている。 本研究では.視野変換に順応させたニホンザル視覚領から単一細胞記録を行い.上記の問題の解決を試みた。その結果.第一次視覚野の方向、傾きに選択性をもたない細胞群が.その受容野を大きく変化させることをつきとめた。この結果は.(1)視野変化への順応に視覚情報処理の早期の段階が.大きく関与していること.(2)成人した大脳皮質が.大規模な可塑性を有していることを示している.
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