研究課題/領域番号 |
07451026
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山岸 俊男 北海道大学, 文学部, 教授 (80158089)
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研究分担者 |
山岸 みどり 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (20211625)
亀田 達也 北海道大学, 文学部, 助教授 (20214554)
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キーワード | 信頼 / コミットメント / 社会的不確実性 / 内集団ひいき / 機会費用 / 取引費用 / 集団主義 / 社会的ジレンマ |
研究概要 |
平成7年度には4つの実験が行われ、以下の諸点が明らかとされた。(1)相手についての情報がほとんど存在しない状況では、相手が信頼に値する人間だと思うかどうかと相手を実際に信頼した行動をとるかどうかとでは、異なった要因により影響されている(第1実験)。(2)対象についてある程度の情報のある状況では、被験者の一般的信頼の水準によっては対象の信頼性の予測が変化しない(第2実験)。しかし、一般的信頼の水準が高い被験者は低い被験者に比べ、信頼が必要とされる状況での対象の行動をより正確に予測できる(第2実験)だけではなく、与えられた手がかり情報により敏感に反応し、対象の行動予測をより急速に変化させる。これらの知見はこれまで全く知られていなかったものであり、理論的に非常に重要な意味をもっている。これらの知見に基づき、以下の方向での理論発展の可能性が検討された。社会的不確実状況でしかも機会コストが高い社会では、人々は既存の関係に留まらず新しい相手とのつき合いないし取り引きを行うことで、より高い利益をえる可能性がある。しかしこのストラテジーが成功するためには、新しい相手との関係で騙されない能力を獲得する必要がある。このため、機会コストが高い状況では人々は相手の人間性を評価するための情報処理に認知資源を投資すると同時に、そのような能力の向上を図るためのスキル獲得のためにも認知資源を投資する。このような投資を行う人間は、与えられた情報に敏感に反応するだけではなく、実際に相手の信頼性の程度をより正確に判断できるようになるため、相手の人間性のデフォルト予測値は高く保っていることができる(いざという時には判断を急速に修正できるから)。これに対してこのような投資を行っていない人間は急速な判断の修正が困難であり、したがって騙されてひどい目に遭わないためには、デフォルト予測値をはじめから低く押さえておく必要がある。
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