研究概要 |
(1)これまで行ってきた育児場面の観察の結果を検討して、観察対象とすべき場面を設定し、さらにそれを記述するための行動カテゴリーの試案を作成した。 (2)J病院小児科の協力の下、同科の健診を受診した0〜1歳の健常な第一子をもつ両親とその子(20組)を対象として、父・母・子によって構成される場面(着替え、おむつ替え、親子あそび等)での3者間の相互作用を観察し、ビデオ記録するとともに、両親に対して、育児行動、親意識の発達に関する質問紙調査を行った。 (3)これらの記録と質問紙調査の回答内容を分析して、乳児期家族における家族員相互作用と親意識の発達過程を検討した。 (4)親の育児行動は、概ね母親が中心であったが、母親間の差が大きかった。 (5)子どもの身体的な発達・成熟の節目に対応して、育児意識や親意識に変化がみられた。 (6)乳児期の段階では、育児行動は母親が中心であり、父親は補助的・周辺的な位置にいることが一般的であった。 (7)20組のなかで可能な限り、2,3ケ月後に2度目の観察を依頼し、継続的に観察・記録を続けている。 (8)継続観察の結果から、子どもの身体移動能力が増大するにつれて、父親の参加が見られるようになることが示唆された。
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