研究課題/領域番号 |
07451028
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
新井 邦二郎 筑波大学, 心理学系, 教授 (60015914)
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研究分担者 |
藤生 英行 筑波大学, 心理学系, 助教授 (40251003)
杉原 一昭 筑波大学, 心理学系, 教授 (30017777)
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キーワード | 自己決定 / 社会化志向性 / 個性化志向性 / 他者決定 / 意欲 / 自我関与感 / 自己責任感 / 興味・関心 |
研究概要 |
(1)自己決定の発達と社会化・個性化志向性との関係の研究 子どもの自己決定(意識)が、社会に向いているのか、個性(自分)に向いているのかについて、小・中学・高校・大学生を対象に調査した。その結果、自己決定は社会化志向性に対し小学、中学、高校である程度肯定的な関係を示すが、大学では関係を持たなくなる。他方、自己決定は個性化志向性に対しては小学から大学に至るまで、一貫して肯定的な関係を示していた。この結果により、小学、中学、高校においては自己決定は個性化志向性のみならず、社会化志向性にもよい関係をもつことがわかった。 (2)自己決定と他者決定の効果の比較研究 小・中学・高校・大学生を対象にして「家での勉強の内容」、「家での勉強の時間」、「家の仕事の分担」、「学校の自習時間の内容」、「学級会の話し合いのテーマ」、「学校の国語と算数(数学)の学習内容」の6つの活動(なお、最後の「学校の国語と算数(数学)の学習内容」だけ、自己決定のみを尋ねた)において、自己決定の場合と他者(親もしくは教師)決定の場合とで、「意欲(やる気)」、「興味・関心」、「自我関与感(自分の事だと思う気持ち)」、「責任感(自己責任感)」、「自信」、「努力・工夫心」の6つの感情・意識が大きくなるか、それとも小さくなるかの調査を行った。その結果、活動の種類と感情・意識の種類との組み合わせによって、自己決定と他者決定の影響に異なりが見られるが、全体において自己決定は上記6つの感情・意識にポジティブな影響をもち、反対に他者決定はネガティブな影響をもつことが明らかになった。
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