研究概要 |
平成7年度には、下記のように研究を行った。 1,目標設定の時間的条件:大学生を対象に努力目標が時間的にどれほど遠い将来までを含んでいるかを調べることにした。過去2週間の間に特に努力して行ったことを想起し、その時の目標意識を記述させる方法を案出し、日本及び米国で少数の大学生を対象にパイロットテストをおこなった。その結果日本では数カ月以内の近い目標が強く意識されているのに対し、米国人学生では10年以上先の目標が強く意識されていることが認められた。 2,Agency beliefと効力感:6-9月の間、本研究分担者らがすでに訳出し小・中学生に試行したCAMI質問紙は、意欲と自己認知と状況認知を合せて診断するのに適当なので、その高校生用を作成し、自己認知及び対人関係に関する項目を追加し、小規模なパイロットテストをおこなって後に、Raven知能検査と共に東京で実施した。その初期的な分析を日本教育心理学会で発表し、現在さらなる分析を行っている。 3,行動規範:6-9月の間、われわれが過去に行なったものを含め既存の研究を参考にして、公正、倫理的許容性等、人の「よさ」に関係する諸概念をどのように認知しているかを見るための「お話し完成法」と情報補完法についての基本的な検討をおこなった。特に情報補完法については、コンピュータ画面上にストーリーや選択肢を提示しての実験的方法について検討中である。
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