• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 研究成果報告書概要

遊戯性のメタコミュニケーションの発達過程の検討

研究課題

研究課題/領域番号 07451038
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関藤女子短期大学

研究代表者

中野 茂  藤女子短期大学, 保育科, 教授 (90183516)

研究期間 (年度) 1995 – 1997
キーワード乳児 / 親 / 発達 / メタコミュニケーション / 遊戯的からかい / 一体感 / 間主体性 / 情動
研究概要

本プロジェクトは、親と乳児との戯れ合い場面に焦点を当て、0歳後半から1歳半までにおける他者の心情の読みとりの発達過程を縦断に探ろうとするものである。戯れ合い、特に、驚かしたり(e.g.、「いないいないばあ」)、騙したり(e.g.、物を隠して「な-い」)、くすぐったり、脅かしたり(e.g.、「食べちゃうぞ-」)する親の遊戯的な「からかい」(playfulteasing)を、子どもたちはいつ頃からどのような文脈で楽しむのかを明らかにし、遊戯性のメタコミュニケーションの発達過程を検討した。
しかし、戯れ合いのやりとりは実験観察室での統制条件下や、家庭場面でも観察者が傍らにいる状況では起きがたい。そこで本研究では、親自身に育児記録として親子のやりとりをビデオ撮影をしてもらう「ビデオ育児日記」という手法を考案し、採用した。15組の母子が、資料を提供してくれた。この方法論の成功が本研究の大きな成果といえる。
得られた資料から戯れ合いのエピソードのプロトコールを作成した。それらから以下の結果を得た。(1)既に6か月の時点で親子のユ-モラスなやりとりが認められ、戯れ合いへの親和性(incident affinity)が発達初期から存在することが示唆された。(2)8-10か月では、いわば子どもの好みに対する親の誤信を伝えるような、親の個々の働きかけへの子どもの選択的な笑いが観察された。(3)10-12か月頃からは、親の働きかけ(例えば、くすぐり)が子どもとの葛藤を招いた場面で、突然子どもが「愛想笑い」を示したことで、その後のやりとりがし遊戯的なものに転換した事例が認められた。最後に、10か月以降では、子どもの親への遊戯的からかいの事例がいくつか認められた。以上から、親子という親しい関係の基底には「一体感The Space of“WE"」・「情動的満足感」を求めるメカニズムのあることが考察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 中野 茂: "Inter-Jo-or-heart-to-heart resonance" Annual Report of the Research & Clinical Centor. 19. 1-20 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中野 茂: "マインドの理論から心情共感論へ" 心理学評論. 40・1. (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中野 茂: "Toward a Sympathetic propensity theory of mind" Annual Report of the Research & Clinical Center. 20(印刷中). (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] SHIGERU NAKANO: "Inter-Jo- or heart-to-heart resonance : Japanese concept of Intersubjectivity." Annual Report of the Reasearch & Clinical Center for Child Development. 1996-1997,19. (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] SHIGERU NAKANO: "Toward a sympathetic propensity theory of mind." Annual Report of the Research & Clinical Center for Child Development. 1997-1998 (IN PRINTING), 20. (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1999-03-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi