本研究は、米国社会における人種、民族、エスニシティの社会等号・排除と同化・異化の動態を探るために企画された。そのために採用した手法は、センサスのサンプルデータを用いた計量分析である。 まず、1990年版のU.S.Censusの5%サンプルフルセットを、CD-ROM媒体のPublic Use Microdata Sampleの形式で入手し、研究者の作業環境に合わせてインストールした。 ついで、有効な質問項目(人種、エスニシティと、所得、職業、教育、居住場所)をセンサスのなかから選定し、SPSSを用いて、クロス分析などの比較的単純な統計分析を行ない分析の方針を組み立てた。 並行して、従来の社会移動分析の研究成果をレビューし、作業仮説を設計した。 地域を東部、西部、中西部、南部、西南部などに区分して、地域ごとに詳細な分析を行ない、その結果を比較した。また、ニューヨーク、カリフォルニア、イリノイ、ジョージア、テキサスなどの各地域を代表する州をピックアップして分析をさらに深め、その結果を比較考察した。
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