研究概要 |
本研究初年度は,研究協力者を含めて研究体制を整え,旭川地区における3編,函館地区における3編,両地区以外から学校教育期における実践1編の計7編をまとめ,「情緒障害教育研究紀要15号」にまとめることができた。 幼児期の通園施設における実践については,両地区とも計画通りの成果をあげた。とくに,函館地区ではつくしんぼ学級での実践のまとめと,北海道教育大学函館校との共同研究の報告がなされている。家庭教育への導入については,旭川において親との学習会を組織し試行を始めている。 障害児学級での導入については,旭川地区での最初の試みを行い,拡大実践の方向で2年目を迎える。伝統的な集団指導体制の中に,いかに別個指導を導入するか,その人手と指導体制の確保が課題である。学校教育期の導入については道内で実践の3年目を迎えた石狩地区の実践協力をえて,本研究に加えることができた。 福祉施設における導入に関して,函館おしまコロニー,第2おしま学園(自閉症者施設)において,顕著な実績をあげ,その報告をまとめることができた。なお,本年度,おしまコロニースタッフを中心に,北海道愛護協会では,施設職員対象のTEACCHプログラムワークショップを開催し,全道規模での導入の準備を始めている状況にあり,成果が目に見えて顕著であるだけに,導入のスピードが速まる可能性がある。ただ,旭川地区においてはまだ,準備段階にあり,相対的に導入が遅れている。 初年度としては,相応の成果をあげたと評価でき,啓蒙の意味をかねてB5版64ページの報告書を作成した。
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