研究概要 |
本研究3年度(最終年度)の成果は,第32回日本発達障害学会(函館)、日本特殊教育学会第35回大会(熊本)において報告し、論文としては研究協力者18名の協力を得て,8編を「情緒障害教育研究紀要17号1998年」(北海道教育大学旭川校障害児教育研究室発行)51ページから120ページにまとめた。 函館地区では,幼児期療育におけるおしまコロニーつくしんぼ学級でのTEACCHプログラム実践が継続的にさらに深められた。おしまコロニー星ヶ丘寮では、寮内でのTEACCHプログラムによる実践経験をふまえ、ジョブコーチによる職場訓練に成果を上げた。北海道教育大学函館校障害児教育研究室は付属高等養護学校との共同研究をさらに深めた。また、函館を中心にTEACCHプログラム研究会北海道支部が定例会を行い、幼児期・学校教育期・成人期の相互研鑽の場として継続的活動が始められた。 旭川地区では,障害幼児通園施設で引き続きTEACCHプログラム実践がなされ,小学校特殊学級においてもTEACCHプログラム導入の3年目となり個別指導実践が成果をあげ、中学校特殊学級においても2年目の成果をあげた。通所作業所においてもプログラム導入の芽生えが見られた。北海道教育大学旭川校障害児教育研究室でもTEACCHセンター的活動をSNEセンターの名のもとに試行を始めた。 両地区についてTEACCHプログラム導入の地域評価を行い、各ライフステージ組織・機関内での着実な導入の成果を見た。一方で、他組織・機関への広がりとライフステージの縦の連携には、さらに時間を要すること、その中心課題はTEACCHセンターの療育指導・情報伝達連携機能であり、そこでのすぐれた実践であると考えられた。
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