研究概要 |
本研究は、TEACCHプログラムを,幼児教育,家庭教育,学校教育,卒業後ケアの共通の地域療育プログラムとしてとりあげ,地域において障害児者が生涯にわたって適切で一貫性と継続性のあるケアの体制をととのえることを目的とし,第1期3カ年計画として,函館・旭川地区をモデル地区として,各ライフステージでのTEACCHプログラムの導入を行った。 函館においては、おしまコロニーの施設群を中心に顕著な成果をあげた。すなわち、幼児期にあってはつくしんぼ学級において自閉症幼児は勿論、他の発達障害児への有効性を示し、成人期自閉症者施設における療育にも顕著な成果を見せた。また、同コロニー地域療育センターがTEACCHセンターとしての機能を担い、同センターを事務局とする北海道TEACCHプログラム研究会が北海道教育大学函館港障害児教育研究室ととも研究活動を行っている。学校教育にあっては高等養護学校において導入の試みを行った。 旭川において障害幼児通園施設においてTEACCHプログラムを導入し成果をあげたが、人事異動と研修体制の未整備のため発展が止まっている。学校教育では小学校特殊学級において導入に成果をあげ、中学校においても試行の成果をあげた。北海道教育大学旭川校障害児教育研究室では、地域研究会を親と障害児教育・福祉関係者と行って、家庭教育、地域療育に関してTEACCHセンター的機能を担っている。 3カ年にわたる研究の成果は、「情緒障害教育研究紀要」(北海道教育大学旭川校)第15号(1996年)〜17号(1998年)に23編の論文として報告し、日本特殊教育学会、発達障害学会において発表した。
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