研究課題/領域番号 |
07451060
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
金田 利子 静岡大学, 教育学部, 教授 (60086006)
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研究分担者 |
諏訪 きぬ 鳥取大学, 教育学部, 教授 (70105170)
木下 孝司 静岡大学, 教育学部, 助教授 (10221920)
岩立 志津夫 静岡大学, 教育学部, 教授 (80137885)
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キーワード | 3歳未満児 / 保育の質 / 保育評価表 / 測定・評価 / 保育方法 / 自己評価 / 因子分析 / 事例的検討 |
研究概要 |
本研究の目的は、3歳未満児の保育の質を測定・評価する方法を明らかにすること、具体的には、保育者自身が簡便に使用でき自らの保育を見直すことができる保育評価表の開発にある。以下今年度の実績について、年度当初に立てた計画にしたがって報告する。 1.前年度に作成した評価表の妥当性の検討:一昨年の予備調査を基に昨年度作成した評価表(30項目)の妥当性を確かめるため、昨年度の末(97・3)、一都5県20%抽出で、保育者に自己評価をしてもらったが、今年度はその結果の集計・分析を行った。その結果項目別集計においても因子分析においてもほぼ同様の結果が得られた。すなわち、30項目は、(1)ほぼバランスのよいものになっている。(2)属性別に違いが出てきている。(3)しかし一部に変化の出ない等の項目があり、その意味を更に検討する必要がある。 2.前年度の自己評価調査のなかに、実際の保育における矛盾場面での対応の側面からの調査も加えたが、その項目が保育の質の測定と評価にとって有効かどうかの検討を試みた。その結果、全体として保育場面の対応においては、一致度が高かった。しかし、30項目の各因子得点との関連もある程度見いだされ、今後こうした矛盾場面の保育方法を意識的にとらえることで、尺度評定を実践的に補うものになるのではないかと示唆された。 3.事例的検討:さらに、30項目の評価表を個別に活用してもらい、どのように使用するときもっとも有効かを検討した。また、6月、9月、11月と継時的な変化とその条件について分析した。その結果、園長と保育者、園の保育者間等に見られた評価の違い、時期による違いを保育者自身がとらえるとき、保育の改善につながることがわかった。 4.総合的に、3歳未満児を一括りにせず、0、1、2歳児別に検討するなども含めて、後少しの検討で、保育者による、簡便な保育評価法を作成していける可能性が見出された。
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