本研究は、小学校、中学校における運動会・体育大会を、同時多角度から収録した映像を分析することによって、そこに投影される事象を手がかりに学校、児童生徒、地域の実態を読み取ることを期し、歴史的、地域的な発展の経過・背景をふまえた「生態学」的な分析を行う研究計画(2年間)の初年度にあたる。本計画は研究方法や技法についての試行的な性格を有し、やがて各地の気鋭の研究者の強力を得て取り組む予定の総合研究計画の準備的な位置を占めている。 このような将来計画と展望に立ち、本年度は、第一に、研究方法の改善のための活動を継続発展させ、第二に、収録映像の分類・検索のための技法の開発と試行を行い、第三に、総合研究体勢の確立のための事前調査、連絡調整を行なった。 まず、映像収録試行範囲の拡大と分析方法の改善では、運動会・体育大会の収録および準備(予備調査)を、近畿各府県から中国四国地域にまで拡大して実施するとともに、収録映像の分析視点の吟味を実地に収録した映像により集中的に行った。 つぎに、収録映像の分類・検索のための技法の開発と試行では、本研究室準備の追記型ビデオディスク検索システムを用い、本研究の目的に適う「静止画・動画の併用検索」の技法を開発、実用化した。 さらに、総合的研究体勢の確立のための準備では、全国の研究者と共同研究を進めるための連絡、調整を深め、調査・収録対象地域設定のための事前調査と関係情報の収集を積極的に行った。
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