研究課題/領域番号 |
07451066
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
藤島 岳 東洋大学, 文学部, 教授 (80058007)
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研究分担者 |
川池 智子 山梨県立女子短期大学, 助教授 (00224725)
天野 マキ 東洋大学, 社会学部, 教授 (50106035)
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キーワード | 精神遅滞者 / 社会的自立 / 生活支援システム / 障害児教育 / 社会福祉 / ノーマライゼーション / 生活実態調査 / ネットワーク |
研究概要 |
本研究は、精神遅滞者の社会的自立を保証する教育・生活支援はどうあるべきか、精神遅滞者の生活と各地域で展開されている教育・生活支援のシステムとの関連について調査し、明らかにするものである。研究初年度の今年度は研究テーマに関する文献研究とプリテスト(面接調査を含む)を実施し、本調査実施に向けての準備研究と位置づけた。 文献研究は社会的自立とノーマライゼーションに関する文献を集めた。その結果、従来の研究においても類する調査研究が行われているが、自立生活を考えると余暇についての研究が薄いことを発見した。そこでプリテストとして現在の生活と余暇活動、そして今後の生活について調査をすることとし、東京近郊の更生・援産施設に入所通所している精神遅滞者約2500人を対象として調査を実施した。1001人から回答が得られ、992人から有効な回答が得られた。 まず、調査票はa.基本属性、b.介助の要不要、C.現在の生活場所、d.家族状況、e.休日の過ごし方、f.本人の希望、g.家族の希望、h.親亡き後の暮らし、i.財産管理等について尋ねた。結果の概略を示すと男性:61.3%、女性:37.5%、平均年齢28.11、52.1%が20代である。障害程度は重度が多く、6割が介助を必要としていた。生活は保護者と暮らしている者は5割を越す。自立度は低い。余暇生活は家族と買物、食事にはいくが、その他は散歩程度である。一人・友人の場合はカラオケ、買物、パチンコなどいずれもあまり行っていない。家にいるときは5割以上がTVである。これらの点から充実した生活・余暇を過ごしているとは言いがたい。最後に親亡き後のことを尋ねだが、施設入所を望む者は66.8%に登り、社会的自立の観点から見るなら制度の貧困を裏付ける結果となった。次年度はこの結果を踏まえ、精度の高い調査票を作成し、本調査を実施したい。
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