研究課題/領域番号 |
07451070
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立特殊教育総合研究所 |
研究代表者 |
志村 洋 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部・盲教育研究室, 室長 (80106153)
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研究分担者 |
金子 健 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部・盲教育研究室, 研究員 (40260020)
大城 英名 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部・盲教育研究室, 主任研究官 (80185256)
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キーワード | 課題解決 / 知覚学習 / 知覚発達 / 体性感覚 / 探索 / ハプティックス / 盲児 |
研究概要 |
本年度の研究の結果、次のような成果を得た。 1.ハプティック技能の定義の妥当性に関する検討では、実物(3次元)、形態(3次元と2次元の中間に位置づけられる物)、および凸図形(2次元)のそれぞれの形の探索に認められる種々のハプティック技能は、前年度の研究で明らかにされた「動作的探索」と「操作的探索」という観点から統一的に整理できる見通しが得られた。また、Ledermanら(1987)の探索動作(EP)との比較では、多くの共通点が認められたが、さらに本研究で見出された回転、叩く、引っ張るなどの諸動作を加えて体系化する必要である。 2.ハプティック技能の発達に関しては、形の同定課題の成績が発達的に向上した対象児では、動作的探索の「摘まむ」と「挟む」(ともに形の検知に有効)、および操作的探索の「方向操作」の時間的比率が高まった。一方、その向上が認められなかった対象児では、とくに操作的探索の「方向操作」の時間的比率が減少し、「表裏操作」の時間的比率が高くなった。後者の事実は、盲児の年齢が高くなるほど、ハプティックス本来の機能、すなわち物の形態的属性よりは感触的属性の検知に注意が向くという主張(Hellerら1996)に沿う知見であり、さらに検討する必要がある。 3.そのほかに次のような知見が得られた。(1)就学前の盲幼児について、大きさや形状が系列的に変化するような触覚教材の提示が、形の探索に有効なハプティック動作(例えば、輪郭たどり)を誘発すること、(2)探索対象に関する範疇情報の提示は、同定課題の成功率を高めるとともに、形の検知に有効なハプティック技能だけを集中的に使って、最も情報多い部分に探索を焦点化させる効果があること。
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