研究課題
基盤研究(B)
近代京都の自由主義思想をその源流にさかのぼり、明治中期から昭和前期までの思想家、法学者、社会学者、評論家などの分析を通じて明らかにしようとしたのが、本研究である。3年間を通じ、毎月の研究例会、9月と3月の集中研究会を開催し、研究を積み重ねてきた。これまで本格的な研究のなかった民法学者岡村司、社会学者高田保馬、経済学者河田嗣郎などについて新知見を発掘した。また、佐々木惣一の憲法学、土田杏村と信州自由大学運動、哲学者西田幾太郎などについても成果が発表された。こうした研究成果は、本学人文科学研究所紀要に『近代京都における自由主義思潮の研究』(No.65)、『続・近代京都における自由主義思潮の研究』(No.70)に12本の論文として発表された。資料収集では、膨大な岡村司日記を発見し、欧州留学中の日記を翻刻した。また、佐々木惣一、高田保馬、小西重直などの著書をはじめ関係図書を購入した。さらに、京都の自由主義的法学者をはじめとする執筆文献目録を作成した。他方、本学に所蔵されている膨大な織田萬、岡村司、雉本朗造などの蔵書を一部分ではあるが、これらを整理した。以上かなりの程度まで初期の目的が達成されたと考える。
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