研究課題/領域番号 |
07451083
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
若松 寛 京都府立大学, 文学部, 教授 (60046472)
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研究分担者 |
橋本 伸也 京都府立大学, 女子短期大学部, 助教授 (30212137)
渡邊 伸 京都府立大学, 文学部, 助教授 (70202413)
渡辺 信一郎 京都府立大学, 文学部, 助教授 (10031618)
河村 貞枝 京都府立大学, 文学部, 教授 (70111911)
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キーワード | 帝国システム / 英雄叙事詩 / 民族 / 宗教 / 言語 / 儀礼 |
研究概要 |
我われは、7年度の5回にわたる共同研究会を通じて、17〜18世紀のモンゴル・ジュンガル帝国(若松担当)、西欧中世の神聖ローマ帝国(渡邊[伸]担当)と「帝国主義」以前の世界システムの中心部をなしたイギリス帝国(河村担当)、およびロシア帝国における言語教育(橋本担当)の報告をおこない、各地域世界における研究状況の紹介と比較の観点の設定とについて自由な議論をこころみた。 新知見としては、ジュンガル帝国の形成にあたってロシア帝国・チベット・清朝中国との対外的契機が極めて大きな役割を果たしたこと、また19世紀後半から20世紀初頭に発行されたイギリスの女性雑誌に描かれたインド女性と日本女性を比較した結果、両者に対する見方・評価が異なり、その要因として植民地インドと同盟国日本というイギリス帝国本国からみた政治空間にしめる両国の位置のちがいがあったこと、さらに中世後期から近代初期の神聖ローマ帝国においても、「帝国改造」には対外的要因が大きく影響しており、また内的には領邦間の勢力関係が帝国システムの方向づけに決定的な要因となったこと、などをあげることができる。 今後の研究計画として8年度は、研究協力者の協力をもふくめて隔月の定例研究会議を開催し、各担当地域の帝国システムについて各自の比較観点を中心とするいっそう具体的な研究報告をおこない、比較のための基準・方法についてさらに相互理解を深めてゆきたい。
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