研究課題/領域番号 |
07451085
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若尾 祐司 名古屋大学, 文学部, 教授 (70044857)
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研究分担者 |
和田 光弘 名古屋大学, 文学部, 助教授 (10220964)
周藤 芳幸 名古屋大学, 文学部, 助教授 (70252202)
佐藤 彰一 名古屋大学, 文学部, 教授 (80131126)
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キーワード | 家族 / 定住 / 空間組織 / ドイツ農民 / トゥール会計文書 / 孤立農場 / アメリカ南部植民地 |
研究概要 |
各研究分担者はそれぞれの課題に鋭意取り組み、平成7年度の研究計画は順調に消化された。各自の研究テーマは新たな史料等に基づいて肉づけされ、実証的な側面でより一層の進展をみると同時に、研究代表者を中心とした議論を通じて、理論的にも深化を遂げている。研究代表者の若尾は、農業奉公人や家事奉公人を包摂した家族構造の独特のありようが定住形態とどのような内的連関をもっていたかを検討するとともに、全体の調整にあたったが、その成果は大著『近代ドイツの結婚と家族』(名古屋大学出版会)に盛り込まれている。同書は本研究計画の重要な理論的支柱であり、計画自体の到達点の高さを示すと同時に、わが国の西洋史学界にとっても非常に大きな収穫ということができよう。佐藤は、現地の史料を駆使して7世紀末のフランス中部における農民世帯の構造を分析し、共著書等においてその成果の一部を公にするとともに、さらにフランスの大学・学会等においても多数の講演・研究報告等をこなして、研究成果を広く内外に知らしめた。周藤は、考古学資料と文献史料の双方を用いつつ、古典期ギリシアの孤立農場の様相を、現在の東地中海地域の農業慣行とも比較・類推しながら検討をおこなっており、現地調査を踏まえた実証的な成果をあげつつある。和田は、収集したアメリカ植民地記録文書集の関係史料を体系的に分析し、17・18世紀を中心とした新大陸への入植・定住のプロセスおよびメカニズムにメスを入れ、また植民地で形成された家族形態の特性についても新たな知見を得つつある。周藤、和田とも、すでに研究成果の一部を論文として公にしている。
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