・まず、現代社会の異民族・異文化接触が引き起こすに関して、昨年以来収集してきた文献・資料を通読・分析することで、接触・対立・共存・同化・融合等の事例の整理をさらにすすめた。 ・同時に、ギリシアの植民(前野担当)やユダヤ人の同化(長田担当)に関する文献・資料を、昨年に引き続いて各人がさらに収集・分析し、前近代・近現代における具体的な事例に関する知見をさらに深めた。それらの成果は、各人が雑誌論文・学会発表等により公表した。また、それらを比較検討し、問題の性質における類似性の有無について確認した。 ・本年度中に各研究分担者は、それぞれ4回の個別報告を行い、分担者相互間の理解を深めた。さらにそれが、現代世界における類似の問題を考察する際の手がかりとなるかどうかに関して討議した。この点は、具体例をさらに洗い出して、来年度も継続して討議する必要がある。 ・また、各分担者の個別テーマが、前近代・近現代のヨーロッパ社会において、どう位置づけられるのかに関しても、さらなる討議を重ねていきたい。 ・地域レベルでのアイデンティティの成立と、国家レベルでのアイデンティティ成立の関係、およびその後の両者の対抗・重層関係に関しても、さらなる検討が必要である。 ・上記3点の継続検討課題を含め、これまで2年間の個別研究成果を総合することが、来年度の大きな課題として残されている。
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