1.大徐本と江流音均表と比較検討を行った結果、段注本との比較も不可欠であることが分かり、段注本にもコード番号を付した。 2.大徐本・段注本・江流音均表の比較を行い、三者のズレがどのような意味をもつのか、それをどのようにコンピュータで処理するかの検討を行い、ソフト作製に反映させた。 3.構成要素をコンピュータ入力するに当たり、六書の概念をコンピュータ側からどのように理解すべきかの検討を行い、六書のついてより正確な知見を得た。 4.『説文』収録の約一万字を入力するために、まず文字の原版の修正を行い、その後図像読取機能を用いて入力した。 以上の作業を行ったが、段注本も追加入力することになったため、作業量がふえただけでなく、輻輳する情報をどのように整理部類するか、また、六書、反切といった古典的思考方法や中国の伝統的等韻学の概念をコンピュータに処理させるためにどのように分析すべきか等などの多くの問題にぶつかった。しかし、それらの問題を一つ一つ解決して行く中で、これまでの作業の不備であった点も見つかり『江流説文解字音均表改正』(説文会編1994)を修正することができ、より正確な情報の入力が可能となった。
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