研究課題/領域番号 |
07451095
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岡田 英樹 立命館大学, 文学部, 教授 (00030172)
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研究分担者 |
高見澤 磨 立命館大学, 国際関係学部, 助教授 (70212016)
斎藤 敏康 立命館大学, 経済学部, 教授 (90144047)
宇野木 洋 立命館大学, 法学部, 教授 (40168737)
北村 稔 立命館大学, 文学部, 教授 (50115698)
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キーワード | 戦後五十年 / 中国現代文学研究 / 魯迅 / 台湾現代化 / 台湾独立 / 台湾のアイデンティティ / フェミニズム |
研究概要 |
民国期あるいは20世紀の文学・文化状況を、その政治、社会的背景を踏まえながら総体的に捉え直そうという試みは、予想以上に困難な企てであるという実感を抱いている。扱う範囲や文献の量も勿論だが、それとともに民国期を貫く時代の主潮とそれぞれの地域性との関連をどのようなコンセプトで把握していくのかということに起因する難しさが存在する。 それぞれの分野では一定の前進があった。例えば、従来、北京をはじめとする中国文壇とは遮断されていたと考えられていた満州文学(文壇)が、実は人的にもテーマにおいても興味深い連関・交流があること。現代派(モダニズム)文学には、欧州モダニズムの受容・影響とともに伝統文学、なかんずく明清の白話文学の遺産が複雑にコンプレックスしていること。台湾における文学や文化政策を民国期全体の中で、より広く深く構造的に捉えていく必要性が明らかになってきたこと、などがあげられる。これらの課題については次年度以降論文にまとめて行けるものと考えている。 今年度は、ひとつには、日本における近現代文学史観の再構成という課題を念頭に置きながら、戦後日本の現代中国文学研究を振り返り、その特徴と課題を明らかにするシンポジウムを、95年度日本中国学会の機会に開催した。 また、20世紀の台湾現代化プロセスにおいて、政治、経済、文化がいかなる位相において展開するのか、その総体的な特徴を踏まえつつ、現代台湾のはらむ問題性をどのように把握すべきなのかをテーマとして開催されたシンポジウムの内容を検討し、これをリライトして活字化することができた。
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