研究課題/領域番号 |
07451095
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岡田 英樹 立命館大学, 文学部, 教授 (00030172)
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研究分担者 |
高見澤 磨 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (70212016)
絹川 浩敏 立命館大学, 経営学部, 助教授 (20288616)
宇野木 洋 立命館大学, 法学部, 教授 (40168737)
斎藤 敏康 立命館大学, 経済学部, 教授 (90144047)
北村 稔 立命館大学, 文学部, 教授 (50115698)
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キーワード | 20世紀中国文学史 / 満洲文化 / 漢奸 / 海派 / 京派 / 東京左連 / 中国憲法 / 中国社会史 |
研究概要 |
現在、日本における中国現代文学・文化研究は、「20世紀中国文学史」の再構成という課題を浮上させてきている。本研究においては、こうした課題を展望しつつ、特に民国期の中国文学・文化が、東北(旧「満州」)・北京・上海・台湾などといった各地域によって、相対的に固有な如何なる性格を保持し、如何なる問題状況・課題を意識し担っていたのか、また、それがどのような文学・文化的性格として顕現していたのか、といった諸点を明らかにすることを目的としていた。この作業は、従来の「中国革命」の自己貫徹という立場から策定された、一元的かつ超地域的な文学史観の弊害を克服し、より多元的な文学(観)・文化の併存という、具体的展開の実相に近い文学史観を獲得する契機足り得ると考える。 この間に、積み重ねてきた研究成果の概要は、おおよそ以下の諸点に整理できる。 (1)東北地域については、「関内」特に北京を中心とする文学・文化運動との関係性が、人的交流を含めて、より実証的に示された。また「満洲国」で活躍した中国人文学者・文化人に関して、「漢奸/抵抗者」といったステレオタイプの従来型区分が、如何に不毛であるかがより明らかにされつつある。(2)上海地域においては、いわゆる「海派」文学・文化と呼ばれるものの持つ重層性が改めて確認された。世界的な同時代的連関性(共時)とともに、史的展開(通時)から見ても、「京派」(北京地域的特質性)とは異なる文化的性格が浮き彫りにされつつある。また、例えば30年代左翼文学運動における日本留学経験者がもたらした理論・情報などの影響が、予想以上に多面的であったことも明らかにされた。(3)時代的枠組の問題については、地域史や社会・文化史的アプローチの観点が示され、国民党・法制史研究からの問題提起を文学・文化に組み込む視角が検討された。また、現在的視点に立って、地域的特質を備えた国民期の種々の展開が、建国後の「断絶」を経て現在に如何に「継承」されているかという問題群の検討も、テレビという新たなメディアを素材に、仮説的な枠組が示されたと言える。
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