研究課題/領域番号 |
07451099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
仏語・仏文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮下 志朗 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138610)
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研究分担者 |
廣瀬 浩司 筑波大学, 文芸・言語学系, 専任講師 (90262089)
鈴木 雅雄 早稲田大学, 文学部, 専任講師 (20251332)
松村 剛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00229535)
池上 俊一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70159606)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 象徴 / 伝説 / 寓意 / ラテン教父 / 世界観 / 中世 / ルネサンス |
研究概要 |
まずヨーロッパの知的世界におけるもっともオーソドックスな象徴の作用を探るべく、中世の神学者たちの思想を検討することから始めた。幸い、キリスト教世界の思想的な枠組みを構成するラテン教父文学の膨大な文献が最近CD-ROM化されたので、それを入手し、徹底的・網羅的なキーワードの検索を行った。キリスト教世界随一の教父たるアウグスチヌス、およびその影響を受けつつ時代に即応した神学を展開した中世の神学者らの作品を吟味し、聖書釈義法やコスモロジーなどに窺われる象徴と寓意がもつ方法的射程を明らかにすることができた。もうひとつ、世俗の言語の作品の十分な活用にも努めた。すなわち中世フランス語文学のさまざまな側面に関する研究を消化しながら、民衆的な世界観やアリストテレス以来の自然誌伝統の受容との関係の中で、如何に俗語文学の様式が変化したかを検討した。とくに生と死、彼岸と此岸、色彩、身体などをめぐるイメージに注目した。さらにルネサンス期にいたってラブレ-やエラスムスといった知識人が、それらをどう変化させたかをも、合わせて検討した。最後に、中世写本の挿絵やルネサンス期の絵画を精査し、とりわけその中に現れるさまざまな政治的・社会的な要素の精緻な解読作業によって、象徴・寓意・伝説に関する文書史料の解釈を補完するのみならず、文書の語らない絵画独自のメッセージを読みとることができた。
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