研究分担者 |
佐々木 勲人 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 講師 (40250998)
加賀 信広 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 講師 (20185705)
伊藤 眞 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (60168375)
山田 博志 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (10200734)
岡本 順治 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (80169151)
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研究概要 |
多数の専門家を擁する研究組織であり,対象言語も多様であるため,当然ながら研究成果も多岐に亘る.代表者の成果を中心にいくつかを列挙するなら,まず代表者は,原因と結果に関する言語形式を,日本語,朝鮮語,フランス語,英語に基づいて考察し,新しい言語の類型を提案した(Journal of East Asian Linguistics6,1-49(米国)およびOhak Yongu 33(韓国).この提案については,研究分担者の一人が批判的な考察を加え,ドイツ語・オランダ語等の事実を考慮に入れた優れた代案を提示している(報告書63-80)・代表者はまた,上記諸言語の考察に基づき,受動表現・使役表現の成立條件および両者の関係について具体的な仮説を提案したが(『ヴォイスに関する比較言語学的研究』1-66,『ヴォイスとアスペクト』),中国語における類似の現象を追及した分担者の研究により,中国語は,他の言語と多くの類似点を共有する反面,細部になお研究すべき興味深い相違点のあることが明らかになった(『ヴォイスに関する…』133-160).これら以外では,英語の非対格表現に対応するドイツ語の再帰動詞と自動詞を考察した分担者の研究により,ドイツ語におけるこれらの使い分けが意味論的に動機づけらえていることが明らかになった(Sprachtheorie und gemanistische Linguistik3,7-16).諸ゲルマン語の「完了形」構文について研究を行った別の分担者は,ドイツ語あるいはスウェーデン語の「完了形」構文が一般的な完了分詩を伴う構文の体系に属するものでありうることを明らかにした(報告書111-140,Sprachwissenschaft22,287-307).言語理論に貢献する成果も見逃せない.ロマンス諸語における動詞や代名詞の位置に関する研究などがその例である(報告書165-184).
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